本年第二号をお届けします。かなりページ数が少なくなりました。月刊で雑誌をつくるのは難しいですが、隔月刊ならばこの歌と文章の量で雑誌をつくるのもなかなか良いかなとも思います。次の五・六月号の原稿締め切りは四月十日ですので、同人の皆様は原稿のご準備をよろしくお願いいたします。
二年前のちょうど今の時期に筑波連山の宝篋山に私の弟夫婦、井上省吾さん、私の四人で登りました。表紙の写真はそのとき、下山してしばらく歩いて訪れた平沢官衙遺跡を撮ったものです。敷地内に高床式倉庫が復元されており、記念にその写真を撮りました。平沢官衙は奈良時代から平安時代にかけてつくられた役所なのだそうです。表紙の写真にあるような倉庫に租税として集められた稲などが保管されていたということです。筑波山地は短歌にゆかりのある土地ですから、また機会あれば行きたいです。
コロナのパンデミックが始まって二年以上が経ちました。このコロナウイルスのせいで多くの人が日本で命を落としているという印象は、正直なところ私にはありません。歴史上の過去のパンデミックでは桁外れに多くの人が亡くなったのだと思います。
コロナ禍が終らないうちに、今度はロシヤがウクライナに侵攻するという大事件が起こりました。まったく時代遅れの侵略戦争です。核兵器が使用されるかもしれないとも言われて、気が重くなることばかりで世の中がすっかり覆われてしまったという感じです。もし短歌がなかったら、人間らしい穏やかな気持ちでは暮らせなかったかもしれません。