ぱとすの人

短歌同人誌「ぱとす」に掲載した文章や編集後記を公開します。

2022-01-01から1年間の記事一覧

『岡野弘彦全歌集』ノート其の弐

私は秀歌をあまり読んでこなかった気がしますので、『岡野弘彦全歌集』の読み込みを続けて少しきちんと短歌を学んでいきたいです。 ・月蒼き夜半にいできて連翹の花むら燃ゆる庭に立つなり(「花」)・妻子らにかかはる憂ひ耐へきつつあまり明るし連翹の花(…

ぱとす2022年11・12月号後記

今年最後の「ぱとす」をお届けします。表紙の写真は私が歩いて実家に行く途中の高台から撮影したものです。遠くに見える富士山の辺りに夕陽が沈み、シャッターチャンスだと思いスマホを取り出したところ、ちょうど新幹線が通りました。 雑誌の中身につきまし…

『岡野弘彦全歌集』ノート其の壱

『岡野弘彦全歌集』を買いました。昨年十二月に青磁社から刊行された箱入り定価一万二千円の本です。全歌集とは通常はこのように歌壇で活躍している歌人が生きているうちにその歌業を振り返って出版されます。 私の仕事は行政書士ですが恥ずかしいほど経済力…

ぱとす2022年9・10月号後記

露地に咲くヒガンバナ 大変遅くなりましたが、9・10月号をお届けします。今日は彼岸入りで、赤いヒガンバナが満開でしたのでそれを写真に撮り表紙にしました。 世間はさまざまな事件で騒がしい状態が続いています。平成も始まったころはバブル崩壊やオウム真…

荏原病院

荏原病院正面玄関 中学1年のときに体育の授業で右腕の骨を複雑骨折しました。都立荏原病院の整形外科に運ばれて、確か2週間ぐらい入院したと記憶しています。 私が治療を受けているとき、同じように入院していた患者の中年男性から最近の子供は骨が弱くな…

ぱとす2022年7・8月号後記

ガス橋(東京都大田区) 発行が少し遅れましたが「ぱとす」7・8月号をお届けします。 表紙のガス橋は東京都大田区と神奈川県川崎市をつないで多摩川に架かる橋です。 東京ガスの鶴見製造所で製造されたガスを東京に送るためにつくられた橋で、昭和4年にガ…

「萩」第10号(終刊号)

畠山満喜子さんから短歌同人誌「萩」10号をいただきました。終刊号なのだそうです。 同人10名の短歌作品の他に随想作品としてエッセイも掲載されています。特に畠山さんは文学等について八つの随筆を発表されており、これが日本の古典文学と近代文学について…

ぱとす2022年5・6月号後記

「ぱとす」5・6月号表紙 昨年の7月に復刊第1号を発行して、この5・6月号は復刊第6号となります。明るい雰囲気の雑誌にしたいと思いまして、今回は表紙を花の写真にしました。品川区立しながわ中央公園に植えられている花です。この公園の近くに品川区総…

新しきわれのうた

書評:横山岩男歌集『うたの歳月』(いりの舎) 平成二十九年から昨年七月までの作品を収めた第九歌集。五年前の早春に著者は次の歌を詠まれている。・立春の光明るく日の方へ歩み出ださむわれの一歩を・良きことのまだあるごとく思はれて生日けふを子らに祝…

ぱとす2022年3・4月号後記

平沢官衙遺跡 本年第二号をお届けします。かなりページ数が少なくなりました。月刊で雑誌をつくるのは難しいですが、隔月刊ならばこの歌と文章の量で雑誌をつくるのもなかなか良いかなとも思います。次の五・六月号の原稿締め切りは四月十日ですので、同人の…

We shall be released.

『チョコレートドーナツ』という10年前にアメリカで製作された映画を観ました。原題は「Any Day Now」で、これはザ・バンドの名曲「I Shall Be Released」の歌詞の一節です。実はザ・バンドのこの曲を聴きたくなってたまたまYouTubeでいろいろなカバーを聴い…

ぱとす2022年1・2月号後記

明けましておめでとうございます。まとまった文章はぱとすの人に書くことにして、今年からこの編集後記は断片的にお伝えすべきことを書いていこうと思います。 まず、原稿の締め切りは偶数月の十日です。従いまして、次の三・四月号の締め切りは二月十日です…